人との縁は、目に見える形だけで続くものではありません。
連絡が取れなくなり、もう会えないと思っていた相手でも、不意に心の深いところで存在を感じる瞬間があります。
それは決して特別な能力や、不思議な力が必要な話ではありません。
条件がそろったとき、人は誰でも「言葉にならないつながり」を体験することがあります。
これは、私自身が若い頃に体験した、連絡の取れない彼との出来事です。
結婚を考えていた彼と、連絡が途絶えた日々
今から20年以上前、私は結婚を考えていた男性と別れました。
激しい言い争いや、憎しみ合う別れではありません。
どうにもならない事情が重なり、話し合った末に、それぞれの道を選ぶしかなかったのです。
別れた直後は、何も考えられませんでした。
連絡の取れない彼のことを思い出しては、胸が締めつけられるような日が続きました。
ただ、時間が少しずつ心を落ち着かせてくれました。
3か月ほど経った頃、ようやく日常を取り戻し始めた、そんな時期のことです。
夢と現実のはざまで、彼が現れた
その夜は、はっきり時間を覚えています。
午前2時を少し過ぎた頃でした。
眠っているようで、まだ意識が残っている、不思議な感覚の中にいました。
ふと、目の前に人の気配を感じました。
驚くほど自然に、彼が立っていたのです。
夢のようで、でも現実とも違う、夢と現実のはざまの状態でした。
彼は穏やかな表情で、こう言いました。
「君が健康でいることを願っている。縁があれば、また会える」
それだけを伝え、静かに消えていきました。
声も、姿も、とてもはっきりしていました。
完全に目が覚めたとき、私は涙が止まらなくなっていました。
悲しさというより、心の奥に触れられたような感覚でした。
彼は亡くなったわけではありません。
それでも、あの瞬間、確かに彼の存在を感じたのです。
「特別な力」ではなく、誰にでも起こる状態
当時の私は、この体験をとても不思議に感じました。
けれど今振り返ると、特別な能力が働いたわけではありません。
人は、強く意識を向けている相手がいると、無意識の深い部分で情報を受け取りやすくなります。
特に、夢と現実のはざまの状態では、普段の思考や緊張が弱まり、「我」が静かになります。
この「我」が静まった状態になると、頭で考える前に、感覚が先に働きます。
瞑想を続けている人が、ふと人の状態を感じ取るのと、仕組みは同じです。
毎日短時間でも瞑想を続けていくと、3か月ほどで、思考が一時的に止まる感覚を経験する人は多いです。
その瞬間、体の中を風が通るような、すっと軽くなる感覚があります。
丑三つ時は、眠りと目覚めの境目になりやすく、自然とこの状態に入りやすい時間帯です。
条件がそろえば、連絡の取れない彼のように、強く思っていた相手の存在を感じることは、決して珍しいことではありません。
最後に
私はその後、彼と再会することはありませんでした。
けれど、不思議と「彼は元気にやっている」と、今でも感じることがあります。
連絡が取れないからといって、縁が完全に消えるわけではありません。
人の記憶や感情は、思っている以上に深く、静かにつながっています。
この体験を通して、私は「見えないつながり」を無理に信じる必要はないと感じました。
ただ、自分の心が静かになったとき、何を感じるのかを大切にすること。
それだけで、人との関係はずっと楽になります。
幸せになる生き方とは、無理に答えを探さず、今の自分の感覚を信じてあげることなのかもしれません。
必要なときには、必要な形で、ちゃんと心は動きます。
それを静かに受け止められる自分でいることが、何よりの安心につながっていくのです。
沙耶美のスピリチュアルカウンセリングはこちら







